オーストラリア1周25,000kmの旅【西海岸パート2】

1号線から少し海岸沿いに走ることを勧めてくれたテリーにしたがって、海岸の道に入っていきました。
その道は、道ではないが道になるのです。

所々、海の水飛沫をフロントガラスに受けながら時速100キロ近くで疾走する快感は、オンロードでは決して味わうことは出来ません。
どうでしょう、千葉の九十九里を数時間、それもまわりに家など皆無といった状況での走りだと想像してもらえれば近いかも知れません。

友景近くになり、車の走ってきた後方を見ると、雲ひとつ無い水平線に太陽が沈もうとしています。
車を停めてインド洋に沈む太陽をじっくり撮影することにしたのです。
海岸を走行中には一台の車とも出会わなかったのに、遥か後方から一台の車が猛烈な勢いで水飛沫を上げてサンセットを背景にして走って来ました。
そして近くまで来て「ハーイ!」と大声をあげて走り去ったのです。
この一連の目に焼き付いた光景は、まさに外国でしか味わうことの出来ないこととして、生涯忘れることは出来ません。
真っ赤な空、白い水飛沫、逆光のため黒く見えた車、やや紫がかった全景に薄っすらと見える砂山。

この日は、完璧なまでにインド洋の日没を堪能して、真っ暗な海の道から砂丘の道を抜け1号線へと戻ったのでした。
このルートで、テリーのドライビングの腕が相当なものだということが判明しました。
右手でハンドル、左手でギアシフト。
隣に乗っている僕が、全神経を使ってバランスをとらなければ座っていられない程のオフロードを、気持ちよい程のスピードで走り抜けていくのでした・・・。

・・・・・続く
2002.03.26

オーストラリア1周25,000kmの旅【西海岸パート1】

※このページはメッセージからの続編です。
前文は僕からみなさんへ旅と自然のあり方】をご覧ください。
・・・・・そんな旅の原点を教えてくれたオーストラリア。
今まで旅した国の中では滞在日数の一番長い国、オーストラリア。

2年前、『道浪漫』という番組でそのオーストラリアを数回に分けて1周してみようということになったんです。
この番組は皆さんもご存知のようにリポーターの行きたいところに出かけていくのですが、このオーストラリア編に関しては、MBS-TVプロデューサー渡辺さんの提案でした。
パースからルート1号を北上すると素晴らしい場所があるということなのです。

最初オーストラリアといわれた時、もうこの国へ仕事で来ることはないだろうと決めていたので、一瞬、戸惑いました。
でも西海岸と聞いた時、パースだけは個人的には行きたかったので行くことになりましたが、その時の私の情報では、オーストラリア西海岸は何も見るべきものが無い領域だったんです。
オーストラリアは東海岸で十分だと思っていたからです。
『ま、1回限りの旅だから、何も無くても旅を楽しむつもりで行けばいいだろう』と・・・。

成田からの直行便で約9時間半、パースにいるはずが、その日のフライトはパース行きは無し。
シドニー経由でしか方法がありませんでした。
この時、オーストラリアという国の大きさを実感したんです。
シドニーまで約9時間、シドニーからパースまでがなんと4時間半。
機上から見た大陸は、砂漠の上を通過しているのですが、まるでロシアのツンドラ上空を飛んでいる錯覚さえ覚えるほどでした。
ウエイティング時間を入れるとおよそ16時間の長旅でした。
いつも感じるのですが、旅はアクセスの状態によっては、飛行機に乗っている時間が倍に感じることがあります。
でもこれを楽しむ人もいることは確かです。
私の今までの最長移動時間はトランジェットを入れると28時間、成田-リオデジャネイロです。
このトランジェットの空港はロスアンジェルス。
これに比べれば楽ではあるのですが、睡眠のとり方によって、つまり、意識的にどういう方法で寝るかの行動が明暗を分けることになると思います。
例えばブラジルまでなら、成田-ロス間は絶対眠らず、ロスーリオ間に睡眠をとるようにすると時差ボケに悩まされずにすみます。
まぁ、これはかなり苦行を強いられますが(笑)。

さて、パースについて数時間の休憩後、一番最初のコメント撮りが行われたのです。
えっ!到着のその日から撮影が始まるのですか?と驚かれる方がほとんどですが、そうなんです。
撮影隊には限られた日数しか無いので仕方がないのです。
それと、オーストラリアとは時差がほとんど無いことも理由のひとつです。
もっと大きな理由は、私が若く体力があると判断されたからかも知れません?
スタッフの平均年齢はおおよそ34、5歳。
正直いってかなりきついことはきついんですが、『美味いものとうまいワインを飲ませるから』と約束が取り付けられれば行動する柴俊夫、頑張るんです、これが。

今回は2週間でどこまで行けるか、1号線を北上しました。
ひとたびパースを数キロ離れれば、想像もできなかったことですが対向車が極端に少なくなります。
10分に1台とかの世界になるのです。
これには最初から驚かされました。
そんな中、今回のガイドのテリーとパースから2時間、約160キロ地点にあるランセリン砂丘に向かいました。
白い貝や珊瑚が砕けてできた砂丘、いや、砂丘というより砂漠と表現した方が適切かも知れないほど広大な砂丘です。
砂は粒子が細かく風に運ばれて砂丘形状を日々変えていく。
そして砂の白さは光とのバランスでハーモニーを奏でる。
そんな光景の中から巨大な4Wモンスターが現れ、人々を幻想の世界へと連れて行ってくれるのです。
昼は砂丘近くのカフェで軽いランチをとる・・・。
そしてまた車は北上して行きます。

・・・・・続く
2002.03.08

安比高原スキー場展望台からの、想像し得ない360度のパノラマ

先月、安比高原スキー場に出かけた時のことです。日曜日だったと思います。
数日の間、曇り晴れ、雪といった状況が続いた後、その日はカーテンを開けると快晴でした。

今日は天気がいいなぁと、いつもと変わらぬ感情しかなかったのですが、朝食をとっていると安比グランド総支配人の勝雅行が来て、『柴さん、今日はゴンドラの上の、前森山1305mまで登ってみたら?』とサジェスチョンをしてくれました。

いつもはそんなことをいわない人が勧めてくれたのだからと思い、半信半疑でゴンドラを降りてその場に立ってみると、何と!360度のパノラマ、絶景かな絶景かな!
こんな美しい景色があるのかと感嘆ing、TO BE CONTINUEING、1回転、2回転、3回転・・・・・・・。
360度×数回=1800度は首を廻したでしょうか(笑)。

目の前に切り立った岩手山にかかっている薄雲、ちょっと右回転していくと左斜めに八幡平、そこから90度位かな?
遠くを見やると山々の向こうにはあの八甲田山、そしてまた右を向くと岩木山。
5年も続けて来ていながら見ることのできなかった大自然、本当に来て良かったと心から思った次第です。
オーバーにいうなら生きていて良かったと思ったほどでした。
ですから、展望台を降りてから会うスキー客、ボーダー達に大声で『見ないと損するよ!』といい続けました。
下に降りてから地元の人に話すと、皆、口を揃えて『年に何回あるかどうかの景色』といわれました。


いい忘れましたが、この時一緒にいた勝さんの義兄にあたる旭澤正雄(県の職員・自然環境保護)のレクチャーによれば、この素晴らしい景色も大半は人間の手によって変化し、自然が残っている山が少なくなったとのことです。

イヌワシが棲息する地域にも兎が少なくなりつつあるとのことです。
バランスが失われつつある自然は世界各国共通のようですね。

実はこの安比よりも1ヶ月程前、北海道・十勝岳も歩いてみたのですが、その美しさも口では表現できないほど素晴らしいものでした。
日本という国の美しさ・・・・。
海外ばかりに目を向けていた僕にとっても、そして皆さんにとっても再認識すべきものだと声を大にしていいたいです。

2002.02.14

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