伝統の国イギリスへ【イギリスへの道パート6】

後ろ髪を引かれながら次に向かうはウェールズの北ウェールズ地方のバーマスという町。
1895年ナショナルトラスト創設の最初の土地です。

イギリスという国は、ご承知のとおり18世紀後半産業革命が始まり、自然や歴史的環境が破壊され始めたんです。
その時からイギリス人は失われていくものの大切さにも気が付き始めていたんです。
つまり、革新性と創造性、革新的な技術を不滅の伝統と融合させることのできる英国の才能とでもいうんでしょうか?
当時、バーマスは観光地として賑わい、町も潤っていたのですが、素晴らしい自然が失われないように『アスファルトの道を作ったり、鉄製のベンチなんかを置かないで欲しい』といって寄贈されたのがデイナスオライという丘、ウェエールズ語で”光りの要塞”、ナショナルトラスト創設のきっかけとなった土地なんですって。
僕もその丘に登り、町全体を眺めてみましたが、100年以上環境が変わっていないことと、その美しさには脱帽させられました。
その精神に賛同した人たち、詩人のワーズワース、ピーターラビットの作者ビクトリアス・ポター、チャーチル、ナイチンゲールなど多くの人々が土地などの所有物をナショナルトラストに寄贈してき、今日に至っているわけです。
凄い!ですよね。
美しい自国を国に頼らず自分達で守ろうなんて。
こんな精神を持ち合わせている国民が多いから美しきイギリスがあるんだなーと納得です。
あっ、そうそう、こんな環境の町の外れに日本から移り住んでBBを営んでいる家族がいたので、我ら一同、一泊お世話になったんです。
このBBのご主人曰く、『イギリス中旅行して、ここが最高の場所だと思ったからここに腰を据えたんです』と。
この人も凄い!

『静かで心澄む美しい夕べだ。神々しい時は、讃嘆に息をのむ尼僧のように静まっている。太陽は大きく静のうちに沈もうとしている。』
19世紀ロマン派の詩人ワーズワースが読み上げた詩の一節です。
自然をこよなく愛し、ナショナルトラストの心を守り続けた詩人、その詩人が最も愛した湖水地方。
緑と水の溢れる心の故郷。
その土地の3分の1をナショナルトラストが所有して守っているんです。
この地方への旅は僕にとっても初めてなので、嬉しくて嬉しくて!
ある人にいわせると『イングランドで一番美しいかもね!』と。
行くぞ湖水地方、そこを動くでない!!!・・・って感じ。
でもひとつ思い出したことが・・・。
そう、これから先は狂牛病の真っ只中・・・・・?
僕は人間であって牛ではないわけで、食べなければいいわけであって(北の国からの純のモノローグ調)、これから先はステーキはご法度、夢見るだけ!

ウェールズから湖水地方に向かうには、リバプールを外しては行けない訳で、別に通り過ぎてもいいんですが、一応、音楽好きな僕にとってはビートルズに関心があるので立ち寄ることにしました。
18世紀から今日までこのリバプールの港から何人の人たちが世界へと旅立って行ったのでしょうかね?
ビートルズもその仲間といえるでしょう。
ユニオンジャックを作り上げる基点となった港町、でも今はそのエネルギーは消失しているように感じられます。
時は隆盛という力を持続させない。
まさにそんな図式なんでしょう。
ビートルズ、我が青春期に全盛を誇ったグループ、そのヒット曲の多さに驚かされますが、それ以上に素晴らしいメロディーの数々、20世紀最高のグループといってもいいんでしょうね?
頭の中を懐かしい曲が駆け巡る、その余韻に浸りながらビートルズ所縁の場所を見て歩く、音楽は時の流れをも逆行させてくれる。
イギリスにいながら日本でのその時代を思い出させてもらう、勿論見ているものはペニーレイン通りにあるポールが行っていた床屋や、リンゴスターの家、ポールが結婚した教会、ジョンの実家などなど。
どうでしょう、普段なら決してやらないスターたちのお家拝見ですが、自分の過去を異国で懐かしむことができるからこそ、興味が沸いたような気もします。
なんていったって、心に残る曲が多いですよねビートルズは!

・・・・・続く
2003.02.26

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