旅と自然のあり方

旅と自然のあり方

僕の最初の旅(海外旅行)は沖縄でした。
もう30数年前になりますが、生まれて初めてパスポートを持ち、意気揚々と那覇空港に降り立ったことを今でも鮮明に憶えています。
言葉では言い表せないほど美しかったビーチので夕景、それはまるでゴーギャンの色使いのようでした。
未だにこのサンセットを超えるものを見たことがありません。

初めての海外旅行がこんなに素晴らしかったのですから、それ以降の旅は『もっともっと素敵な旅』を目指して、しっかりとプランニングされた旅をしていただろうと思われるかもしれませんが、旅するところといえばアメリカ西海岸、グアム、サイパン、ハワイ、フィリピン、オーストラリアゴールドコースト・・・。
若気の至りといいますか、趣味だったゴルフが出来る気候の暖かい場所ばかりを選んで、空港に到着すればゴルフ場に直行というような旅ばかりでした。
それに、景色を見るのは車窓からがほとんどで、車を止めてベストポジションに立ち、美しい景色を見て感激に浸ろうなんてことは、ほぼ皆無でした。
ですから、自分でプランを練り、旅先で何か素晴らしい発見をしようなどという気持ちもありませんでした。

そういう旅を続けていた僕に転機が訪れたのは、かれこれ15年くらい前になるでしょうか。
TVドラマのロケでオーストラリア東海岸に約50日滞在したのですが、このときに『一箇所に長く滞在するということ』が、今までの旅とは一味も二味も違うということに目覚めたのです。
普通なら一度きりで通り過ぎてしまう景色も、日常の中で何度も目にとまるうちに、『その先にはいったいどんな素晴らしい世界が広がっているのだろう』と、見極めたくなってきたのです。
心の視野の拡がりが、いつしか自分の行動をアグレッシヴに変え、それによってその国(旅先)をいろんな角度から見ることが出来るようになりました。

例えば、ガイドブックに載っているレストランでは飽き足らず、地元の人に尋ねながら自分で飛び込んで食べてみる、美味しいか不味いかなんてどうでもいいのです。
大事なのは、そのとき関わった人たちとのコミュニケーション、そこにたどり着くまでのプロセス。
そんなことが忘れられない思い出となり、その国(旅先)を理解するきっかけになったりします。
そうなると面白いもので、さらにさらに前に進みたくなってきます。
そういうことの積み重ねが『楽しめる旅』なんじゃないかと、そのとき確信したのです。
僕の本当の旅は、そこから始まったといってもいいと思います。

まずはごあいさつとしまして、僕の旅に対するポリシーみたいなものを書いてみました。
これからは、僕が今までに訪れた国のことについて、『自然遊歩道(Nature Trail)』のコーナーでつづっていきたいと思います。

柴俊夫

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